CABによる送り迎えのわな
外資系のコールセンターがぼこぼこオープンし続けるインド。サービスレベルの低下(少なくとも利用者がそう思う)からクローズするところもある中、低賃金の魅力には代えられず、特にヨーロッパ、アメリカの企業がこりもせずやってくる。日系企業はそこは慎重視しているようだ。さて、そのコールセンターについて。
多くのセンターは、近代的なビルにはいっており、清潔で空調設備もしっかりしている。すべての社員には車での送り迎えが用意されており、一台に最高8人くらいを乗せて順番に各家を回っていく。センターは営業時間をヨーロッパやアメリカのそれに合わせているところが多く、公共交通機関を利用できないのが理由だと思ったらそうでもないようで、「市バスなんぞ汚いもんにあんたら正装した社員を乗せられん」といったカースト制度をにおわせる考え方が理由のような気がします。
というわけで、インドの特にデリー、ムンバイ、バンガロー、プネといった都市は、昼も夜もこの会社の用意する車(一般的にCABと呼ばれている)がうじゃうじゃ走っているのです。
ひできすもしばらくこのCABでホテルと会社の往復をしていましたが、今のホテルに移って以来使っていません。え、なぜって? そりゃあんたこのホテルは会社の隣にたっていますから。
CABを使わなくなって気がついた。
「帰りに飲みにいける」。
そうCABを使っていたころはいつもその時間割にとらわれて、自由に行動できなかった。次のCABに乗せてもらうことは可能だが、事前に予約が必要。「面倒くさい、帰ろう」となる。だから社員同士は会社以外ではあまり会う機会がないらしい。
CABが待ってるから、もう行かなくちゃ。CABが遅れたから遅刻OK。CABが事故った。CABが寝過ごした。CABがCABがCABが...。
ひできすなら、きっとそのうちうつ病になるんじゃないかと思います。とりあえず1ヶ月は無事でしたが。ホテル移ってほんとによかった。